第8回|ディープテック・スタートアップ支援事業|DTSU事業・GX事業
詳細
ディープテック・スタートアップ支援事業とは?
経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が共同で推進する制度であり、技術の確率や事業化・社会実装までに長期の開発期間と莫大な資金を要し、国や世界全体の社会課題の解決にも資すると考えられる革新的な技術の研究開発に取り組んでいる「ディープテック・スタートアップ」を支援するものです。
制度の概要
本事業では、経済産業省所轄の鉱工業技術(ロボティクス、AI、エレクトロニクス、IoT、クリーンテクノロジー、素材、医療機器、ライフサイエンス、バイオテクノロジー技術、航空宇宙等)に関して、具体的技術シーズがあり、研究開発要素が強い事業を支援します(DTSU事業)。
また、上記に加えて、CO2の排出削減に向けた野心的な目標を掲げるなど世界規模でのカーボンニュートラルの実現及び日本の産業競争力の強化のためのイノベーションを創出し得る研究開発内容を支援します(GX事業)。
DTSU事業、GX事業の支援概要
本事業で支援する研究開発の詳細は以下の通りとなっています。また、実用化~量産化までをトータルで行う場合、一気通貫支援を受けることも可能です。
実用化研究開発支援 (STS(前期)/PCA(後期))事業 | 試作品の開発や他社等との共同研究開発を実施するとともに、研究開発の成果を活用したF/S調査の実施、生産技術開発等を支援 |
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量産化実証支援(DMP)事業 | 量産化実証に向けた生産設備・検査設備等の設計・製作・購入・導入・運用費用やこれらの設備等を設置する建屋の設計・工事費用を支援 |
ステージゲート審査
DTSU事業及びGX事業では、ステージゲート審査(資金調達のタイミングで行われる、外部有識者による事業継続・追加支援の可否に係る審査)を経ることによって、同一事業内で、申請・採択されたフェーズと同一のフェーズで継続して事業を実施することや、後段のフェーズへ移行して事業を実施することも可能となります(通算で最大6年間事業実施可能です)。

補助金額・補助率
本制度では、各フェーズごとに補助金額、・補助率が定められています。下記のフェーズをまたいで一気通貫での支援を受ける場合、最大補助金額は30億円となります(補助率は各フェーズの補助率が適用されます)。
STSフェーズ | 2/3以内 | 3億円もしくは5億円(※1) |
PCAフェーズ | 2/3以内 | 5億円もしくは10億円(※1) |
DMPフェーズ | 2/3以内もしくは1/2以内(※2) | 25億円 |
(※1)事業化連携に係る連携先の関心表明書や海外技術実証に関する計画書を提出することができる場合、助成金交付上限額を、STSフェーズは5億円、PCAフェーズは10億円とする。
(※2)DTSU事業では、応募要件としている出資及び融資について、その合計額に占める融資の合計額の割合が1/2以上の場合、補助率は1/2以内とする。GX事業では補助率は2/3以内とする。
補助対象者
以下の「各フェーズ共通の要件」及び応募するフェーズにおける「各フェーズの要件」を、応募する事業ごとに、応募時点から助成事業終了時点まで、全て満たしている必要があります。また、ステージゲート審査にあたっては、「ステージゲート審査における要件」について、ステージゲート審査への応募時点から助成事業終了時点まで、全て満たす必要があります。
各フェーズ共通の要件
日本に登記されている民間企業であって、事業活動に係る主たる技術開発及び意思決定のための拠点を日本国内に有すること。また、未上場の事業者であること。ただし、STSフェーズ(実用化研究開発(前期))のみ、この公募の採択決定日から1ヶ月以内に助成対象事業者として日本国内の法人格を有することを条件として、法人を設立準備中の者からの応募を可能とする。
中小企業基本法等に定められている資本金基準又は従業員基準のいずれかを満たす法人(※3)であり、なおかつみなし大企業(※4)に該当せず、直近過去3年間の各年または各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えないもの
大企業の持分法適用会社ではないこと
事業会社や資金調達のための関連法人、経営者の資産保有型会社又は資産運用型会社等からの出資がある場合、当該法人による持株比率が50%未満かつ非連結対象であること。
DTSU事業及びGX事業への応募時点で、原則として、設立から一定年数以内(STSフェーズ・PCAフェーズの場合10年、DMPフェーズの場合15年)の企業であること。
提案時点における直近の財表等により、売上高研究開発費割合が5%以上の企業であること
反社会的勢力、あるいはそれに関わる者との関与がないこと
技術研究組合ではないこと
別途NEDOが実施している、「ディープテック分野での人材発掘・起業家育成事業(NEP)」を実施中の者は、本事業の採択決定日から1ヶ月以内に当該実施中の事業を終了すること
【DTSU事業のみ】VC等、CVC、事業会社、金融機関から提案書に記載した助成事業期間中に要する助成対象費用の1/3以上または1/2以上の金額の出資または融資をNEDOが定める所定の期間内に受けている、又は今後出資または融資が予定されていること。
【GX事業のみ】助成事業の実施を通じ、「GXリーグ参画企業に求める取組」と同様のGXに係る取組を実施することを想定し、現在実施している内容及び交付決定した場合において実施する内容を追加資料の「GXに係る取組申告書」に記載し、これを提出すること。
(※3)中小企業基本法等に定められている資本金基準又は従業員基準のいずれかを満たす法人
資本金または従業員数(常勤)のどちらかが下表の数字以下となる会社または法人が対象
業種 | 資本金 | 従業員数(常勤) |
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製造業、建設業、運輸業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
(※4)みなし大企業の定義
STSフェーズ・PCAフェーズの要件
所定の期間内にVC等、CVC、事業会社から提案書に記載した助成事業期間中に要する助成対象費用の1/3以上の金額の出資を受けている、又は今後出資が予定されている未上場の事業者であること
補助上限で応募する提案者においては、以下のいずれかまたは双方を提出すること
事業化連携(共同研究、調達、販路開拓)に係る連携先の関心表明書
海外技術実証に関する計画書
【DTSU事業のみ】VC等またはCVCが株主構成に含まれていること(所定の期間内でも可)
DMPフェーズの要件
所定の期間内にVC等、CVC、事業会社または金融機関から提案書に記載した助成事業期間中に要する助成対象費用の一定割合以上の金額の出資もしくは融資を受けている、又は今後出資もしくは融資が予定されている未上場の事業者であること
事業化に向けて、連携先との間で取り交わした量産化実証、共同研究、調達、販路開拓等に 関する覚書等を提出すること
【DTSU事業のみ】VC等またはCVCが株主構成に含まれていること(所定の期間内でも可)
パートナーVCの要件
業としてスタートアップへの投資機能を有し、ディープテック・スタートアップの事業化支援機能を有する法人等(VC等、CVC)であること
所定の期間内に出資を行うVC等、CVCであって、最大の金額や株式持分比率で出資を行う者、または、過去の出資分を含めてVC等やCVCの中で最大株主持株比率になる者であること
助成事業期間中にハンズオンできる体制を構築・維持することとし、提案者の採択にあたっては、「パートナーVC」として、実施者とともにNEDOホームページ上で社名が公表されることに同意すること
反社会的勢力、あるいはそれに関わる者との関与がないこと
倫理綱領に同意すること
ステージゲート審査における要件
次に事業を実施するフェーズごとの要件をクリアしていること、外部有識者による事業に対する助言をうけること、の2点
補助対象経費
土木・建築工事費 | ①プラント等の建設に必要な土木工事及びその運転管理棟等の建築工事並びにこれらに付帯する電気工事等を行うのに必要な経費。 ②量産化実証に必要な生産技術の開発・製作。 ③実証試験に必須となる建物等の設計・建築。 |
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機械装置等製作・購入費 | 助成事業に必要な機械装置(量産化実証に必要な実証用パイロット生産設備等も含む)、その他備品の製作、購入又は借用に要する経費。(※事業期間中、本事業に専用で使用すること) |
保守・改造修理費 | 助成事業で購入したプラント及び機械装置の保守(機能の維持管理等)、改造(主として価値を高め、又は耐久性を増す場合)、修理(主として現状に回復する場合)に必要な経費。 |
研究員費 | 実施計画書の研究開発体制に記載された者であって助成事業に直接従事する研究者、設計者及び工員等であって、助成事業の遂行のために直接従事した時間分の人件費 |
補助員費 | 助成事業に直接従事したアルバイト、パート等の人件費(ただし、研究員費に含ま れるものを除く。)。 |
消耗品費 | 助成事業の実施に直接必要な資材、部品、消耗品費等の製作又は購入に要する経費。 |
旅費 | ① 助成事業を実施するため特に必要とする研究員及び補助員の旅費、滞在費、交通費。 ②研究者以外の者に、助成事業の実施に必要な知識、情報、意見等の収集のための国内、海外調査に要する経費で、旅費、滞在費、交通費。 |
外注費 | 助成事業の遂行に必要な加工・分析等の請負外注に係る経費。(研究開発要素がある業務は外注不可) |
諸経費 | 助成事業の実施に直接必要な光熱水料、会議費、委員会費、通信料、借料、図書資料費、通訳料、運送費、関税等の経費、学会等参加費 |
委託・共同研究費 | 助成事業のうち、委託契約又は共同研究契約等に基づき事業会社(国内・国外)又は学術機関等(国内・国外)が行う技術開発や技術実証に必要な経費 |
スケジュール
現時点で公表されている次回の公募予定は以下の通りです。
公募期間:2025年7月上旬~2025年7月中旬(予定)
二次審査:2025年10月1週目~2週目(予定)
採択発表:2025年11月上旬頃(予定)
交付決定時期:2025年11月下旬以降(予定)
事業実施期間:最大で通算6年以内
最新の情報は公式サイトをご覧ください。